この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


「もちろんその駆け落ちが長く続くわけもなく、親父は強引に家に戻された。リツの母親には法外の手切れ金を払って祖父母は縁を切らせた。俺がこの話を知ったのは、偶然親父と母親が夜中に話していたのを立ち聞きしたから」

「そう……だったんだ」


そんな事があったなんて……。

だけどリツはその話を全然知らない。


「俺の母は、それを知って泣き崩れたよ。知らなかったとはいえ、愛し合っていたふたりの仲を無理矢理引き裂いたのは自分だって責め続けていた。だからせめてリツには幸せになって欲しいと、自分の子どもと変わりない愛情を注いでくれているはずなんだ」

「川上君……それ、リツに話してあげて」


正直、川上君の父親の振る舞いには憤りを感じるけれど、今の問題はそこじゃない。

リツが知らない深い事情があったというのが問題なんだ。