ずっと自分の事ばかりで、リツの話を聞けなかった事が今になってすごく悔しく思う。

リツの優しさに甘えていた自分に腹がたってならない。

あんなに一緒にいたのに、リツの苦しみに気づいてあげられなかった……。


「リツと約束したんだよ……」

「約束?」

「……少しずつでいいから一緒にこの問題を乗り越えていこうって」


好きかもって言った時、約束してとリツはそう言った。

この問題をクリアできたら、気持ちに応えてくれるのだとばかりその時は思っていた。


「……川上君。リツは怖いと思いながらも努力してたんだよ。正面から向き合えなくても違う角度から川上君たちの事を見ていたはずなんだよ……」

「藤村……」


ボロボロと涙がこぼれ出す。

今日はずっと泣いてばかりなのに、枯れる事を知らない私の涙。


「だから、約束を破るなんて許さない。私は問題をクリアしたんだから、今度はリツの番だよ……っ!」