辺りを見回しても、リツの姿はどこにもなくて私だけがこの場に取り残されている状態だった。
「ど、どこ行っちゃったの……?!リツ?」
私はジャングルジムから飛び降りて、辺りを探し回る。
公園にはリツどころか誰の姿もない。
「リツ……。本当にさっきのは最期だったの……?」
そんなのはウソだよね?
きっと私を驚かせるために、どこかに隠れているんだよね?
「……っ」
でも、隠れる場所なんてどこにもなかった。
本当にいなくなってしまったのだと、私はその場に膝から崩れ落ちて、声をあげて泣いた。
たくさんの星が流れているというのに、どんなに願っても叶えてくれる星はどこにもない。
こんな終わり方を望んではいなかった……。
星が降るこの場所で、リツは私の前から完全に消えた。
冷たいけれど優しいキスだけを残して……。