結月へ
これを読む時、お母さんはもうこの世にはいないと思います。
お父さんからこれを受け取ってかなり驚いているんじゃないでしょうか。
結月はお父さんをかなりひどい人だと口癖のように言っていましたが、お父さんは人々の生活がよくなるための仕事に関わっていて、忙しい日々を送っていたの。
そんな状態のお父さんだったけれど、お母さんが入院してから、仕事先から毎日顔を見せに来てくれました。
結月は全然知らなかったでしょう?
お父さんは家族との時間が持てない事に申し訳なく思い、そして結月の事を心から心配していましたよ。
それにね、私の事は気にしなくていいから仕事を優先して欲しいってお母さんがお父さんに話していたの。
だから、お父さんを恨まないで欲しい。
決して家庭を顧みなかったわけじゃないから。
一緒にいる時間が少なかったけれど、お母さんとお父さんは気持ちが繋がっていました。
結月もきっと大人になってそういう人が現れたら、わかると思います。
これから先、お母さんがいなくなっても結月はひとりじゃないよ。
お母さんは常に結月の心の中にいるから、安心して下さいね。
この先新しい家族ができたとしたらお父さんにも新しいお母さんにも心を開いて、結月のいいところをどんどん見せてあげて下さい。
兄弟ができたら優しくしてあげてね。
最後に。
お母さんのせいで結月がみんなと同じような普通の高校生として過ごせなくて、ごめんなさい。
あなたの幸せをいつまでも祈っています。



