何で私の方を見るんだろう?
不思議に思って首をかしげてしまった。
「……結月のように、えみりにも嫌われたら父親失格だと思っていた。えみりがそんなに思い悩んでいるとは思わなかったんだ。本当に済まなかった……」
「私も、何も話せなくてごめんなさい……」
えみりは目に涙をいっぱいためて、お父さんにしがみついた。
お父さんはそんなえみりを力強く抱きしめる。
本当の親子にしか見えないこの光景。
これでちゃんと、本当の家族としてスタートしていくことができる。
血の繋がりはなくても心の繋がりはできたはずだから……。
そして、その場所に私は必要ない。
立ち上がろうとした時、持っていた傘が床に落ちて3人が同時にこっちを見た。
「結月……。辛い思いをさせて本当にすまなかった」
「……は?」
ふたりから離れて、お父さんは私に向かって頭を下げる。



