病院に向かえと言われたけれど、すぐに着いてしまった。
お父さんは私が病院のすぐ近くにいた事なんて夢にも思っていなかったのだろう。
「すみません!藤村えみりがこちらに運ばれたと連絡がきたんですが……!」
「藤村えみりさんのご家族の方ですね?今、ご案内します」
受付にいた人が丁寧に応対してくれて、案内してくれた。
まだどんな状態なのか聞かされていないから、不安と緊張で心臓が破裂してしまいそうなくらい鼓動がうるさい。
夏でもないのに手に汗がにじむ。
視界が悪い中、車にぶつかったとか?
赤信号なのに飛び出したとか?
嫌な可能性ばかり浮かんできて、私は首を横に振った。
『私、本当は結月の事ずっと……』
そういえば、お父さんに邪魔されて最後まで聞けなかったけれど、えみりは一体何を言いかけたの……?
「藤村えみりさん。ご家族の方が来ましたよ」
受付の人に案内された場所は救急外来の待合室だった。



