この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


スルッと手からスマホが滑り落ち、ジャングルジムの下にできていた水たまりの中にポチャンと音をたてて着地する。


「藤村?」

「結月?」


川上君とリツが同時に私の名前を呼んだ。

でも私が声に反応してつかんだのは隣りにいるリツの手。

ヒンヤリとして温度を感じない手だったけれど、私はギュッと強く握った。


「妹が……事故に遭ったって……」


もしかして、さっき見た救急車にえみりが乗っていたっていう事……?


「どうしよう……!妹が死んじゃったら……」

「落ち着け、結月!」


リツが動揺する私の腕を振りほどき、代わりに私の両肩を強くつかんだ。

傘が飛んでクルクルと回りながら川上君の足元へと落下する。


「来て欲しいという事は、結月が必要とされているって事なんだ。今、自分がどうしたいのか、迷っていないで突っ走ればいい」

「リツ……」


涙目になっていた私を真剣な表情で真っ直ぐ射貫くように見つめるリツ。

昨日も同じことを言ってくれたよね。


「後悔する前に行った方がいい。オレは結月に後悔して欲しくないから」

「……っ」


リツに言われて落ちて来た涙を拭いた後、私は立ち上がって、ジャングルジムから飛び降りた。