「……もしもし」
『もしもし、結月か?今どこにいるんだ?』
「どこって……私の居場所よりえみりの方が大事でしょ?」
こんな時に限って、何でお父さんは私の居場所なんか気にするんだろう。
優先順位を完璧間違えてるよね……。
そう思って通話を終了するために画面をタップしようとした時だった。
『月見沢総合病院から連絡がきて、えみりが事故に遭ったようなんだ……っ!』
「は?」
月見沢総合病院はこの公園から目と鼻の先にある。
通話を終わらせようとしたけれど、聞こえて来た声に反応して再びスマホを耳に押し当てながら、すぐそこにある病院の建物を見上げてしまった。
えみりが事故に遭った……?
『えみりが運ばれたようなんだ!頼む病院に向かってくれ!父さんたちもすぐに行くから!』
今まで聞いた事のないお父さんの悲痛な叫びに驚いて、私は力が抜けてしまった。



