「藤村、そんな所で何してるんだよ?雨の中濡れるじゃん」
川上君に問いかけられて、私はリツの方をチラッと見た。
何してるって……男の子とふたりでいるんだから少しは空気読みなよ……。
リツとの時間を邪魔されて私はムッとなる。
川上君こそ弟君のお見舞いに行ってたんじゃないの?
「何してる……って関係ないでしょ。この状況見て、少し空気を読みなよ」
鈍すぎにも程がある。
少しきつめに言ってみたけれど、川上君は不思議そうに首をかしげるだけ。
「……マヌケな顔」
隣でリツがつぶやいたから、私は噴き出しそうになった。
言われてみれば確かに川上君、少しマヌケに見えるかも。
「いや、誰だってこの雨の中、ひとりでそんなとこにのぼっていたら、心配で声をかけると思うけど?空気読めって言われても無理だろ」
川上君の言葉に、心臓が止まりそうになった。



