この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


だって、星空を見上げる幽霊なんていないから。

さっき車内から見えたリツもきっと見間違い。

雷雨で私がおかしくなっていたせいで、そう見えただけで……。


「……で、泣きながらここに来るなんてどうかした?」

「べ、別に泣いてないしっ!これは雨粒だからっ!」


私は再び目をゴシゴシとこする。


「なんだ、オレに会いたくなったから来たのかと思ったのに」

「えっ?そ、そんなわけないし……」


無性に会いたかったのは本当だけど、本人にそう言われてしまうと恥ずかしくて否定してしまう。

動揺しているのがバレたらまたからかわれるんじゃないかってヒヤヒヤしていると、リツがフードをとった。

茶色の髪がこぼれて、顔全体がよく見えるようになった。


「……いつも外さなかったのにどうしたの?」


雨に濡れたせいで髪はペタッとしちゃっているけれど、普段はきちんと整っているんだろうなと思いながら、私はリツの頭をそっとなでた。


「とりたくなったから……それだけ」

「かぶらないほうがいいよ、絶対に」


私が言うと、リツはフッと鼻で笑う。