星が見えるはずもないのに、ずっと空を見上げていたリツ。
「何で傘をささないの?!いくらバカでも風邪ひくでしょ?!」
濡れるのもおかまいなしに私はジャングルジムをよじのぼり、リツに傘を差し出す。
フードをかぶっていてもこんな雨じゃずぶ濡れ。
ポタポタと前髪の先から雫が垂れている。
「いくらバカでもって、さすがにそれはひどい」
「だってこんな雨なのに傘をささないから!」
「……泣かなくてもいいじゃん」
リツの笑顔を見たら、幽霊なわけがないんだってホッとしたから。
ゴシゴシと目をこすりながら首を横に振る。
「リツが……幽霊なんじゃないかって不安だったんだもん」
「星空を見る幽霊っているの?」
私の発言がおかしかったのか、肩を震わせてリツは笑った。
ほら、やっぱり。
リツは幽霊なんかじゃない。



