「私は再婚の話を聞いていなかったから、この家にいても毎日息苦しいだけだった。だから極力この家に帰ってこないようにしていた。……でも、えみりは違うんだよ。お父さんに本当の娘のように接してもらうためにいい子を演じて頑張ってた。私が反発するからなおさら自分が可愛がってもらえるよう、必死に」
私の言葉にお父さんもおばさんもえみりの方を向く。
涙で顔をグシャグシャにしたえみりは、ふたりではなく私を見ていた。
「でもふたりが見ていたのは私。反発する私を無理矢理、家族の型にはめ込もうとしてた。けど、最初から家族の型なんて存在していなかったんだ」
「偉そうな口をきくんじゃない!何をわかった風に……」
お父さんが私に向かって再び手を振り上げた。
だけどえみりがそれを制止する。
「お父さん!結月は間違った事なんか言ってない!私だってずっとそう思ってた!」
髪を振り乱して訴えかけるえみり。



