私は左頬を押さえながら、ハッと乾いた声で笑った。
この家族はまとまっているようで、全然バラバラだった。
家族になったというのに、血のつながりがない事を気にして、誰もが遠慮して一歩先に踏み込めずにいる。
えみりが素を出せないのと同じで、お父さんはえみりを怒る事はできず、おばさんはひたすら優しくして私の気を引こうと必死。
触れれば砂の城のように、もろくてすぐに崩れるような関係だったのかと、思えば思うほど笑いがこみあげてきてこらえきれなかった。
ジンジンと痛む左頬を押さえるのも忘れて私は大きな声で笑った。
「結月……ちゃん?」
今までこの家で笑った事なんか一度もなかった。
そのせいなのかおばさんは、私が狂ってしまったんじゃないかという目で見ている。
えみりも目を皿のように丸くして見ていた。
「何がおかしいんだ……?」
狂ったように笑う私に、声を荒げたのはお父さん。



