この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


「……お金出せないって言ったら、ひとりの子が野球部のお兄ちゃんが使ってるっていうバットを家から持ってきて、殴られたの」

「それが、あの日私が玄関でアンタにぶつかった日?」


私が聞くと、えみりは小さくうなずいた。

こんなに痛い思いをしていたのに、何で言わなかったんだろう。

カッコ悪いっていう理由だけで、言わないもの?


「何で今まで言わなかったの?」

「弱いところを見せたくなかった……。親に言ったら負けだって思ったからっ!」


弱いところを見せたくなかった。

それは私も同じ。

えみりの立場になっていたら、私も黙ったままでいたかもしれない。


「……バカじゃないの?アンタまだ義務教育なんだよ?親に頼ればいいじゃん!無意味にいい子演じないで、弱い部分や情けない部分、全てさらけ出しなさいよ。それが家族でしょ?」

「義務教育とかそんなの関係ない!アンタがそれをしていないのに、私がするわけにいかなかったの!結月が弱い部分見せてないのに、私だけ見せるわけにいかなかった……っ!」