それを聞いて私は思わず川上君の方を見てしまった。
まさか入院している家族というのが弟だったなんて……。
「入院してるの……弟さんだったの?」
「そう。事故で意識が戻らなくて。もうすぐ一ヶ月になるかな」
悲しそうに言った川上君。
車内の空気が重くなるのを感じた。
おばさんは返す言葉をなくしたのか無言で車を発進させる。
自分で話を振っておいてすごく無責任じゃない?
私は私で非常に気まずかった。
「……ごめん。さっきあんな事言って」
こんな過保護なお兄さんがいてかわいそう……だなんて言ってしまったから。
知らなかったとはいえ、八つ当たりも含んでいたし。
「藤村が気にする事じゃない。弟がこんな状態じゃなかったとしても過保護だったと思うから」
川上君はそう言って笑ったけれど、無理矢理に笑顔を作っているような感じだった。



