この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


「あ、藤村!」


私に気が付いて川上君は大きく手を振ってくる。

一緒に談笑していた人たちが一斉にこちらに視線を向けて来ただけでなく、川上君の声に反応して近くにいた女子までもが振り返った。

人の多いところで名前を呼ばなくても……。

私は無視して折り畳み傘を広げようとした。


「おいおい藤村。雷が鳴ってるから今出るのはヤバいって」

「別に落ちないから大丈夫。だだっ広いとこ歩くわけじゃないし」


駆け寄って来た最上くんに制止されて私はそっけなく返事をした。

だけど彼はグッと私の腕を力強くつかんで首を横に振る。


「絶対に落ちないって保証はないだろ?」

「もしそうだとしても、川上君には関係ない。私は一刻も早くここから出たいの」


もしかしたら、公園にリツがいるかもしれない。

こんな雷雨の中でも、ジャングルジムにのぼって、空を見上げて星を待つリツが……。