メモはまだ持っているけれど、別に親しいわけでも友達というわけでもないから連絡する事なんてないし。
ただ、恵茉に考えて欲しいって言われてるから、少しは悩んだけれど、慣れない人間関係でストレスがたまるのは嫌だ。
「あ、別に勧誘にきたわけじゃないからそんな怖い顔しないでね」
「これが普通の顔なんだけど」
無意識に身構えてしまっていたのか、黒木さんに言われてしまった。
私が答えると、彼女はフフフと口元を押さえて笑う。
「藤村さん、昨日総合病院の近くにある公園にいなかった?」
「……何で?」
黒木さんに聞かれて、ドキッとしてしまった。
まさか、リツと一緒にいたところを見られた……?
それだけじゃなくて、私はリツを抱きしめた。
「あ、違うんだったらいいんだ。そうだよね、藤村さんがひとりでジャングルジムにのぼるわけないもんね」
「まあ……うん」
「ごめんね、変な事言って。やだなー、私ってば料理愛好会の事ばかり考えてるから道を歩く人が藤村さんに見えちゃったりするのかね。あ、これも勧誘じゃないから気にしないでっ!」
慌てたように言う黒木さん。



