「自分の娘の状態くらい把握してろっつーの……」
イライラしながら私は駅まで早足で向かう。
3人で暖かな家族を築いているんだと思っていた。
私はそういう風にしか見てこなかったから。
でも実際は向いている方向はみんなバラバラ。
まあどっちにしても、私がいなくなれば丸く収まる問題である事には変わりない。
「藤村おはよう!この駅使ってたんだ?」
「……うわ」
改札口への階段を上がる途中、川上君に声をかけられてしまった。
今日も朝から出没するとは思わなくて、完全に油断していた。
多分、嫌だなっていう気持ちがハッキリと顔に出ちゃっていると思う。
「何も露骨にそんな顔しなくてもいいのに」
「……仕方ないでしょ。嫌なものは嫌なんだし」
いつも以上に深いため息をついて答えると、川上君は苦笑した。



