そうなると日中は引きこもっているというのも納得できるんだ。

日の光を浴びちゃいけない病気だから、夜にならないと外に出られないとか。

考えたくないけれど、そんな可能性すら勝手に浮かんできてしまう。


「……そんな、まさかね」


不安を振り払うように首を横に振って、私は部屋を出た。

顔を洗うために洗面所に入ろうとしたら、先客がいる。

その先客であるえみりは、ボーっとした顔で鏡を見つめながら立ちつくしていて、私が来た事にも気づいていない。

いつもふわふわとしていた髪はペタッとなっていて、毛先も色々な方向へと跳ね上がっている。

可愛らしくパッチリとしていたはずの目は、赤く腫れあがっていた。

しばらく様子をうかがっていたら、私の気配に気が付いたようでハッとして髪で顔を隠しながら背を向ける。


『違う角度から見てみれば?そうすれば見えなかったものが見えてくるから』


リツの声が頭の中で響く。