この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。



じわっと涙がにじんで、星が見えなくなった。

何でこうなっちゃったんだろう。

私、何か悪いことをしたのかな……?

だから、お母さんは私を置いて、遠くへ行ってしまったんだろうか。


「……帰ろ」


ブランコから勢いよく飛び降りて、着地をする。

警察に補導なんかされたら、もっとめんどくさい。

足取り重く公園の出口へと向かっていた時、ジャングルジムのてっぺんに人影がある事に気が付いた。

ジャングルジムにのぼるにしては、適正年齢を遥かに超えている体格なんだけど。

後ろ姿しか見えないけど、その人は黒っぽい服にフードを頭からすっぽりとかぶっている。

黒いズボンにスニーカー。

同じ歳くらいの男の子……?