「……結月の言う通り」
「ん?」
空を見上げたまま、ポツリとつぶやくリツ。
別に私に向かって言ったわけではないのかも。
「オレは行動しないで後悔した事たくさんあったから、ここにいる」
「……何かあったの?」
「オレも結月と同じような環境にいる。ただもう少し複雑なんだけど」
ゆっくりと星空から私の方に視線を移して、リツは静かにそう話した。
ちょっと複雑とは言っているけれど、リツも私と同じ環境にいたんだ……。
同じ境遇にいる事を知って、不謹慎だけど親近感がわいてしまう。
「……ここにいるって事は、上手くいってないの?」
私の言葉に、リツは俯いてしまった。
さっきまで笑顔だったのに、沈んだ表情をしている。
「……オレがいなければ、すべて上手くいくんじゃないかって思ってる」
寂しげな目でリツはため息まじりでそう言った。



