この星を見上げたら、僕はキミの幸せを願う。


ジャングルジムの方を振り返ると、てっぺんで様子を見ていたリツがニッと笑って親指を立てる。

よくやったという事なのかな……。

私はリツに背中を押されなければ、何もしなかったけどね。

リツのいるジャングルジムに戻ってくると、リツは満面の笑みを浮かべていた。


「スッキリしたんじゃない?」

「えみりには余計な事だって言われたけどね」


確かに余計な事だったと思う。

けど、私に嫌がらせした罰だとか見て見ぬふりのような事はできなかった。

いい子ぶったわけではないけれど、それはまた別問題だと思うし。

恩を売ったつもりもない。


「大切なのは自分がどうしたいかだから。行動起こしての後悔なら解決方法を探せばいいんだし。行動しないでの後悔は解決方法は何もない」

「……何か『経験者は語る』みたいだね」


そう言いながらジャングルジムにのぼると、リツは何も言わずに星空を見上げた。