すると彼女たちはヤバいという顔をしてこの場から慌てて逃げ出した。
逃げたところで証拠があるから、遠慮なく学校の方に提出させてもらうけどね。
えみりがカツアゲされていたのは私にとって別にどうでもいいけれど、赤の他人が私の家のお金を使って遊んでいた事には腹がたつし。
「……余計な事しないでよ」
3人が逃げた方向を見ていたら、隣で弱々しくぼやく声が聞こえて来た。
見ればえみりは唇を噛んで、私を睨み上げている。
涙を必死にこらえるために唇を噛んでいたのかもしれないけれど、こらえきれずにいくつか涙が流れ落ちた。
「誰が助けてって言った?何で余計な事したの?!笑えばいいじゃん!私はバカだって」
喚き散らしながらえみりは私の制服をグッとつかんだ。
いつもこんなに取り乱す事はないし、基本イジワルな事しかしてこないからかなり新鮮。
何も答えない私に向かって散々怒鳴り散らした後、つかんでいた私の制服を力任せに引っ張ってから突き飛ばすように押しのけて、えみりは走って行ってしまった。



