えみりがカツアゲされているところを見たからって、そもそも私が助けなければならない理由がどこにもない。
たとえ助けに入ったとしても、それは一時の正義感でしかないような気がする。
川上君が私を助けたように。
行動を起こした事で、えみりの立場は余計に悪くなると思うし、私には関係ないのない事……。
「あー、あの子時々ここで金要求されてるよ」
「そうなの?……あの子、さっき話した、私の妹なんだよね」
そう言うとリツは片眉を上げた。
私の発言に驚いたみたい。
時々ここで要求されているって事は、今が初めてじゃなかったんだ……。
気になってえみりの方を見ていたら、隣でリツがフッと笑う。
「……また、眉間にしわ寄ってる」
「えっ?」
リツが私の眉間を指先で小突いてきた。
至近距離で目が合って、思わずドキッとしてしまう。
そんな私を見て、リツが微笑んだ。
「迷ってるなら突っ走れば?」
「……え?」
「結果なんてどうだっていいじゃん。今、自分がどうしたいのかが大事であって、その後にどうすればいいか考えればいいんじゃない?」
私の心を見透かしたように、ハッキリとリツは言った。
その声で私は背中を強く押してもらったと思う。



