「まあ、中を見たらわかるんじゃないかな?」
お姉ちゃんがそういうので、あたしはそれを開けようと蓋に手をかけた。
「あ、待って佐奈ちゃん!それは開けちゃだめだ!」
すると朔兄が珍しく叫んだ。
「え?」
けれど手を止めたのは、すでに蓋を開けた後だった。
蓋を開けると同時に強い光と風が吹き出して、思わず腕で目を覆う。
しばらくするとそれは落ち着いた。
「何だったの、あれ…」
あたしはもう一度缶に視線を戻すと、目を見開いた。
缶の中身は空っぽだった。
ただ、そこにいたのは。
「ネコ?」
宝石みたいな水色の右目、黄金のような金色の左目。
鋭い眼光と、黒い毛並み。
サイズはこじんまりした、子猫がいた。
「かーわーいーいー!」
あたしはそのネコの頭を撫でようとしたが、「ダメだ!」と朔兄があたしをそのネコから守るように前に出た。
「佐奈ちゃん、早くこの場から離れて!コイツは!」
いつもは穏やかな朔兄の表情がこわばる。


