「へえ、面白そうだね」
いきなり後ろから声が聞こえて、慌てて振り返るとそこにいたのは田辺くんだった。
田辺くんはあたしが持っていた本に気づいたらしく、「それは、小説?」と尋ねた。
「あっ、あの、その、これは…ごめん!ちゃんと本を探してなくて!」
説得力のある言い訳なんてできないと途中で気づいてガバッと頭を下げて謝ると、田辺くんは「大丈夫だよ」と柔らかく微笑んだ。何度も思うがまるで天使みたいだ。
「難しい本ばかり調べていても疲れるよね」
田辺くんはどうしてこうも優しいのだろう。普通怒られたってしかたがないことだ。
アキならきっと『遊んでないで真面目にやりなよ』と冷たく睨むくらいのことはするだろうに。
「それの題名って何?」
あたしは本の表紙を見ながら「『黒い竜に捧ぐ、魔法のことば』だよ」と伝えた。
すると田辺くんは眉を下げて困った顔をした。
「僕、洋書は原文で読む主義なんだ。原題って書いてあるかな?」
「あーうん、書いてあるよ」
「ちょっと読んでみて」と言われて、今度はあたしは首を横に振った。
「読めないよ。あたし英語苦手なの」
すると田辺くんは「気にしないで、そんなこと」と微笑んだ。
田辺くんに微笑まれると断れるものも断れなくなる。
あたしは覚悟を決めて「きっと間違えるけど、笑わないでね」と言ってから、読み始めた。
「ざ…『The magic words,Invocation for dark dragon.』」
いきなり後ろから声が聞こえて、慌てて振り返るとそこにいたのは田辺くんだった。
田辺くんはあたしが持っていた本に気づいたらしく、「それは、小説?」と尋ねた。
「あっ、あの、その、これは…ごめん!ちゃんと本を探してなくて!」
説得力のある言い訳なんてできないと途中で気づいてガバッと頭を下げて謝ると、田辺くんは「大丈夫だよ」と柔らかく微笑んだ。何度も思うがまるで天使みたいだ。
「難しい本ばかり調べていても疲れるよね」
田辺くんはどうしてこうも優しいのだろう。普通怒られたってしかたがないことだ。
アキならきっと『遊んでないで真面目にやりなよ』と冷たく睨むくらいのことはするだろうに。
「それの題名って何?」
あたしは本の表紙を見ながら「『黒い竜に捧ぐ、魔法のことば』だよ」と伝えた。
すると田辺くんは眉を下げて困った顔をした。
「僕、洋書は原文で読む主義なんだ。原題って書いてあるかな?」
「あーうん、書いてあるよ」
「ちょっと読んでみて」と言われて、今度はあたしは首を横に振った。
「読めないよ。あたし英語苦手なの」
すると田辺くんは「気にしないで、そんなこと」と微笑んだ。
田辺くんに微笑まれると断れるものも断れなくなる。
あたしは覚悟を決めて「きっと間違えるけど、笑わないでね」と言ってから、読み始めた。
「ざ…『The magic words,Invocation for dark dragon.』」


