悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!

「だけど、幼なじみと同居なら、気心知れた仲だしいいんじゃない?しかも幼なじみが晃だなんて」

「最高じゃない!」と興奮したように美晴は言う。

「最高じゃない」とあたしは全力で首を横に振る。


「あの無口な無気力と四六時中一緒だなんて考えただけも腹が立つ」


アキは無口で無気力だけど、こだわるところはとことんこだわる。

例えば、目玉焼きには絶対塩、というように。

そういうところが少し、いや、大分、面倒くさい。


それに仮にアキが最高だとしても、アキと俺様悪魔の関係は最悪だ。

いちばんの問題はそれだ。

朝から晩まで、一晩越えても繰り広げられる戦いと喧嘩。そのうるささはゆっくり寝られたものじゃない。


はあ、と何度目かのため息を吐いた。


その時廊下から「佐奈」という誰だかよく分からないような声が聞こえた。


「佐奈、誰か呼んでるみたいよ」

美晴がそういうので「ちょっと行ってくるね」と廊下に出た。


廊下は人でごった返していた。

けれど誰もあたしを探している様子ではなかった。


「誰だったんだろう?」


声を思い出そうとしても、もう分からなくなってしまった。男子か、女子か、それすらも分からない。


すると「佐奈!」という声が聞こえてきた。


辺りを見渡すけれど、どこにもあたしを呼んだであろう人物が見当たらない。