「アホじゃない!」

「アホだろ」

「アホだよ」

「アキまでそんなことを言う!」

「だってアホでしょ」

ひどい、と思ったけど、アキの渾身の封印をあっさり解いてしまった者としてはそこまで反論できなかった。


「それに、お前はまだオレのしもべだから」


リドは誇らしそうにそう言った。


「は?」


あたしとアキは分からず顔を見合わせた。


「お前はオレを封印したけど、オレと佐奈の契約は壊してないってことだよ。

つまり佐奈はまだオレのものってわけ」


その瞬間アキの眉間のシワが深くなった。


「佐奈はお前のじゃないんだけど」

「いや、オレのだっつの。契約結んでるから」

「関係ないしその契約も今すぐ壊してやる。お前ももう一度封印してやる」

「させません!」

リドとアキの喧嘩かと思ったら、ファルも乱入してもう収拾がつかない。


「とりあえずお前達を神社(うち)に連れていくから」

佐奈手伝って、とアキは言う。

「え?」

「力を全てその身に封じ込めて、佐奈との契約を壊す」

「それってまさか…」


「また、同居生活が始まるね」


アキは溜息を吐いた。

リドは何だか嬉しそうで、ファルは不機嫌だ。


…幼なじみと俺様悪魔との共同生活は、まだまだ続きそうです。



…fin☆…