「佐奈、最近笑わないね」
ゆっくりした歩調で歩きながら、アキはそう言った。
「そんなこともないよ」
あたしはそれを否定する。
学校ではよく美晴と他愛もない話をして盛り上がるし、ちゃんと笑ってる。
「無理してる」
どくんと心臓が鳴った。
図星をつかれて思わず表情が崩れるけど、すぐに立て直してあたしは笑った。
「アキも、笑ってないよ」
するとアキはあたしの方を見て「俺はもともとだよ」と言った。
「でも、元気ないよ」
「…そんなことない」
「嘘つけ、図星のくせに~」
あたしがからかうと「うるさい」と一喝された。だけどアキの考えていることは分かった。
「すぐ、慣れる。あいつがいる生活にすぐに慣れたみたいに、いなくなったことにもきっと慣れる」
アキは前を見つめながら言った。
それはあたしに言っているようでもあったし、自分に言い聞かせているようでもあったし。
「うん」
あたしは頷いた。
「だけど、忘れられないな、きっと」
リドのこと、ファルのこと、300年前の天宮大火も。
全部、全部、繋がって、今のあたしを作ってる。
「うん」
アキは頷いた。
それ以上会話が続くことなく、あっという間に小学校に着いた。
ゆっくりした歩調で歩きながら、アキはそう言った。
「そんなこともないよ」
あたしはそれを否定する。
学校ではよく美晴と他愛もない話をして盛り上がるし、ちゃんと笑ってる。
「無理してる」
どくんと心臓が鳴った。
図星をつかれて思わず表情が崩れるけど、すぐに立て直してあたしは笑った。
「アキも、笑ってないよ」
するとアキはあたしの方を見て「俺はもともとだよ」と言った。
「でも、元気ないよ」
「…そんなことない」
「嘘つけ、図星のくせに~」
あたしがからかうと「うるさい」と一喝された。だけどアキの考えていることは分かった。
「すぐ、慣れる。あいつがいる生活にすぐに慣れたみたいに、いなくなったことにもきっと慣れる」
アキは前を見つめながら言った。
それはあたしに言っているようでもあったし、自分に言い聞かせているようでもあったし。
「うん」
あたしは頷いた。
「だけど、忘れられないな、きっと」
リドのこと、ファルのこと、300年前の天宮大火も。
全部、全部、繋がって、今のあたしを作ってる。
「うん」
アキは頷いた。
それ以上会話が続くことなく、あっという間に小学校に着いた。


