あたし達は目を丸くした。アキだけはいつもと表情が変わらなかったけど。


「よくやった、よくやったよ!お前たちだけでここまで調べているなんて!」


興奮したように先生は「よくやった」と繰り返した。


「天宮大火を調べる内容とするのは、オーソドックスだ。まあ、王道だわな。でも、その被害の大きさじゃなく、原因に的を絞り、徹底的に原因だけを追究したお前たちのセンスと研究意識の高さに俺は感動する!」

それに、その精度も高い、と先生は鼻息を荒くした。

「書き方もきちんとしているし、このままもう少しデータを集めれば大学の卒業論文としても出せるほどだぞ。さすが田辺がいる班だな!」

褒められた田辺くんはへへ、と嬉しそうに笑った。


「でも、僕だけの力じゃありません」


田辺くんはしっかりと先生を見つめながら答えた。


「班のみんな全員がすごく協力してくれたからできたことです」


誇らしそうな顔をする田辺くんを見て、あたしも嬉しくなった。


「そりゃそうだ。今回は班活動だったからな。お前達本当によくやった!」


よくやったと先生はまた褒めてくれた。

あたし達は嬉しくなって「ありがとうございます」と頭を下げる。


「あとはデータだな。あと1つ、確かなデータがあれば完璧になる。まだ時間はあるんだ、探してみるといい」


「ありがとうございます」


アドバイスと持ってきたレポートを受け取って、あたし達は職員室を出た。