リドは荒い息を繰り返していた。
あたしはリドが地面に崩れてしまわないように、抱きしめるように支えていた。
リドの背中は温かく濡れている。それがどんどん広がっていく。
それが怖くて仕方がなかった。
「…お前、分かんねえの?オレの、部下なのに?」
リドは荒い息の合間で呟くように、吐き出すように、言葉を投げかけた。
「守るって、決めたからだよ。
こいつだけは守るって、決めたからだよ。
山火事のあの日から、失ったあの日から、次は絶対、絶対、守ってやるって」
決めたんだと、リドは不敵に笑う。
息が荒く、出血も止まらないのに、笑う。
それは儚くて、消えてしまいそうで、心臓が痛かった。
「こんな大した力のない小娘を?」
「そうだよ、この娘をな」
あたしは掴んでいたリドの肩をぎゅっと握った。
リドはあたしの方を向いて「どうした」と優しい声で問いかけた。
いつもみたいにからかってくる時とは大違いの優しい声に、また胸がぎゅって痛くなった。
「どうして?」
あたしが出した言葉は思っていたよりずっと頼りなくて掠れていた。
「どうして、庇ったりするの?ファルの言うとおりだよ、あたしなんかかばったってあんたになんの得もないでしょう?それに、何なの、なんで決めるの、守るなんて、どうして!」
リドは一瞬目を見開いたけどすぐに優しい顔をしてあたしの頬に手を添えた。
きっと出血のせいでなかなか手に力が入らないのだろう、不器用な手つきだった。
だけどどんなときより優しく感じた。
「泣くなよ」
眉を下げて愛しそうにそんなことを言うから、あたしの目からはまた涙が零れ落ちて頬を伝った。
あたしはリドが地面に崩れてしまわないように、抱きしめるように支えていた。
リドの背中は温かく濡れている。それがどんどん広がっていく。
それが怖くて仕方がなかった。
「…お前、分かんねえの?オレの、部下なのに?」
リドは荒い息の合間で呟くように、吐き出すように、言葉を投げかけた。
「守るって、決めたからだよ。
こいつだけは守るって、決めたからだよ。
山火事のあの日から、失ったあの日から、次は絶対、絶対、守ってやるって」
決めたんだと、リドは不敵に笑う。
息が荒く、出血も止まらないのに、笑う。
それは儚くて、消えてしまいそうで、心臓が痛かった。
「こんな大した力のない小娘を?」
「そうだよ、この娘をな」
あたしは掴んでいたリドの肩をぎゅっと握った。
リドはあたしの方を向いて「どうした」と優しい声で問いかけた。
いつもみたいにからかってくる時とは大違いの優しい声に、また胸がぎゅって痛くなった。
「どうして?」
あたしが出した言葉は思っていたよりずっと頼りなくて掠れていた。
「どうして、庇ったりするの?ファルの言うとおりだよ、あたしなんかかばったってあんたになんの得もないでしょう?それに、何なの、なんで決めるの、守るなんて、どうして!」
リドは一瞬目を見開いたけどすぐに優しい顔をしてあたしの頬に手を添えた。
きっと出血のせいでなかなか手に力が入らないのだろう、不器用な手つきだった。
だけどどんなときより優しく感じた。
「泣くなよ」
眉を下げて愛しそうにそんなことを言うから、あたしの目からはまた涙が零れ落ちて頬を伝った。


