悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!

「村で…天宮町で暮らしてたの?」

「少しの間だったけどな」

「楽しかった?」

「…楽しかった」

「リドが素直に答えるって変。怖い。何か企んでそう」

「お前な」


交わされる短い会話。

少しだけ居心地がいいって思ってしまう。

暮らし始めたころには思いもしなかっただろうな。


「女の子に出会った時、ご飯をもらえた時、泊めてもらった時、嬉しかった?」

「嬉しかった」


リドは目を細めた。


「嬉しかった」


繰り返された言葉に、一体どれだけの感情が込められているだろう。

きっとあたしには想像もできないくらい、優しくて温かい気持ち。

ううん、それだけじゃない。

切なくて、悲しい気持ちも、きっと。


「そっか。良かった」


あたしがそういうと、リドははっとしてこっちを見た。


「それだけか?」

「うん?」

「それしか言わないのか?」


リドは呆然としていた。驚いて戸惑っている様子だった。


「俺は村を追放されて…」

「だってその話、リドはきっとしたくないでしょう?」


リドは目を見開いた。


「村での暮らしが楽しかったって言ったでしょ。それなら村から追い出されたのは悲しかったって分かるから。分かってるのに聞かないよ」


あたしが微笑むとリドは目を丸くしたまま固まった。

それから不意に視線を逸らして、それからあたしの頭にぽんと手を乗せた。