*
__ある日、村に1人の青年がやってきた。
どこからやってきたのか、何日も食べていないのか、その青年は今にも倒れそうだった。
心優しい村娘はその青年を不憫に思って家に招き、飯を食べさせ、泊まらせた。
青年は村娘に恩義を抱き、娘の畑仕事を手伝った。
それどころか他の村人の仕事も手伝った。
村人はみな感謝し、青年はその村で暮らすようになった。
けれどある日、村人は森で青年を見かけた。
青年は誰かと話をしているようだった。
じっと草陰に隠れて見ていると、青年が話しているのは悪魔だった。
村人は慌てて村へ帰り、他の村人へ伝えた。
村人たちは青年が悪魔と繋がる者だと考え、追放することにした。
石を投げて、槍を放って、罵詈雑言を投げかけ、村人たちは青年を攻撃した。
すると青年と共にいた悪魔は森に火を放った。
火は森に広がり、村にも広がった。
その火が消えるころには、青年は村から姿を消した__
*
「天宮に伝わる昔話さ。真実かどうかは分からんがね」
おばちゃんは麦茶を振る舞ってくれた。
「おばちゃん、この話、まさか」
あたしは恐る恐る尋ねる。
おばちゃんは「そうさ」と頷いた。
「昔にあった天宮大火のことさ」
おばちゃんはお茶をすする。
あたし達は言葉を失った。
__ある日、村に1人の青年がやってきた。
どこからやってきたのか、何日も食べていないのか、その青年は今にも倒れそうだった。
心優しい村娘はその青年を不憫に思って家に招き、飯を食べさせ、泊まらせた。
青年は村娘に恩義を抱き、娘の畑仕事を手伝った。
それどころか他の村人の仕事も手伝った。
村人はみな感謝し、青年はその村で暮らすようになった。
けれどある日、村人は森で青年を見かけた。
青年は誰かと話をしているようだった。
じっと草陰に隠れて見ていると、青年が話しているのは悪魔だった。
村人は慌てて村へ帰り、他の村人へ伝えた。
村人たちは青年が悪魔と繋がる者だと考え、追放することにした。
石を投げて、槍を放って、罵詈雑言を投げかけ、村人たちは青年を攻撃した。
すると青年と共にいた悪魔は森に火を放った。
火は森に広がり、村にも広がった。
その火が消えるころには、青年は村から姿を消した__
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「天宮に伝わる昔話さ。真実かどうかは分からんがね」
おばちゃんは麦茶を振る舞ってくれた。
「おばちゃん、この話、まさか」
あたしは恐る恐る尋ねる。
おばちゃんは「そうさ」と頷いた。
「昔にあった天宮大火のことさ」
おばちゃんはお茶をすする。
あたし達は言葉を失った。


