悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!

お姉ちゃんは真っ赤な顔で「だ、だからね」と言った。

「好きな人とか、か、彼女とか、いてもおかしくないなって思って。だけどさっくんのそういう話聞いたことないし…」


…姉よ、お主は分かっているのだろうか。

お主が話している内容は、「自分は朔兄が好きです」と言っているのとほとんど同じだぞ。

あたしはこっそり溜息を吐いた。

朔兄に好きな人がいることは周知の事実だ。意中の相手すらみんなが知っている。

だからこそ朔兄の色恋の話もお姉ちゃんのもとには届かないのだろう。

みんなが知っているんだ、2人が両想いなことを。そして見守っているんだ、2人の恋を。

あたしだって、2人を見守っている中の1人だ。


「知らないよ。聞いたことない」


あたしは、どうでもいいとでも言うようにぶっきらぼうにそう言った。


「さ、佐奈!」

「そんなに知りたきゃ直接本人に聞きなよ」


これ以上ないほどの正論を突き付ければ「それはそうだけど」とお姉ちゃんは口ごもった。


「で、でも、怖いじゃない。も、もしさっくんに好きな人がいたら、彼女がいたらって思うと、怖くて聞けなくなるの」


まるで熟れたリンゴのような赤色を頬に浮かべているお姉ちゃんはひたすらに可愛かった。

可愛くて思わずそれを口に出しそうになるけど、それはあたしが言うべきじゃないと思った。

言うべき人は別にいるから。

妹のあたしの役割は、この純粋無垢で鈍感でのほほんとした姉を、誰より優しい彼のもとへ導くことだ。


お姉ちゃんも朔兄も、このままじゃ何も変わらない。