足取りは軽かった。
心臓はいつもより少し早く心拍している。
白い入道雲、青く透き通る空、黄色いひまわり、赤いかき氷の旗、緑の葉は水を浴びて煌く。
9月だけど景色はまだ夏色だ。
パキッとした夏色だ。
今までの景色がまるでモノクロだったとさえ感じるほどに、景色は色鮮やかに視界に映る。
この景色の中に、アキがいてくれたら。
『佐奈』
僅かにだけど優しく微笑むアキがいてくれたら。
それはきっと、どんな名画にも引けをとらない、美しい絵も同じだろう。
*
「ただいま」
久しぶりの我が家。
毎週休日は家に帰ってくるようにしている。
悪魔の力がいちばん強くなるのは夜だから、家に泊まることはできないのだけど。
「お帰り」
お母さんはいつも通り出迎えてくれた。
「暑かったでしょう」
「日陰は少し涼しいよ」
「そう。夏だと思っていたけど少しずつ変わっていっているのね」
良かった、とそれからお母さんは微笑んで「冷たい麦茶を用意するわ」と言った。
手を洗ってリビングに入ると、クーラーの心地よい冷たい風があたしを包んだ。
「何かあったのね、佐奈」
お母さんは冷たい麦茶を運んであたしの向かいに座るとそう切り出した。
「え?」
「学校?それともあっくんかしら?」
あたしは驚きを隠せなかった。
学校でも田辺くん達との調べもののことでも色々と分かったことがあった。
アキのことも色々あったし、ついさっき感情の名前を知った。
「どうして分かるの?」
何も言っていない。
きっと表情にも出ていない。
不思議に思って尋ねると「簡単よ」とお母さんは得意げに笑った。
「だって、私の大事な娘ですもの」
心臓はいつもより少し早く心拍している。
白い入道雲、青く透き通る空、黄色いひまわり、赤いかき氷の旗、緑の葉は水を浴びて煌く。
9月だけど景色はまだ夏色だ。
パキッとした夏色だ。
今までの景色がまるでモノクロだったとさえ感じるほどに、景色は色鮮やかに視界に映る。
この景色の中に、アキがいてくれたら。
『佐奈』
僅かにだけど優しく微笑むアキがいてくれたら。
それはきっと、どんな名画にも引けをとらない、美しい絵も同じだろう。
*
「ただいま」
久しぶりの我が家。
毎週休日は家に帰ってくるようにしている。
悪魔の力がいちばん強くなるのは夜だから、家に泊まることはできないのだけど。
「お帰り」
お母さんはいつも通り出迎えてくれた。
「暑かったでしょう」
「日陰は少し涼しいよ」
「そう。夏だと思っていたけど少しずつ変わっていっているのね」
良かった、とそれからお母さんは微笑んで「冷たい麦茶を用意するわ」と言った。
手を洗ってリビングに入ると、クーラーの心地よい冷たい風があたしを包んだ。
「何かあったのね、佐奈」
お母さんは冷たい麦茶を運んであたしの向かいに座るとそう切り出した。
「え?」
「学校?それともあっくんかしら?」
あたしは驚きを隠せなかった。
学校でも田辺くん達との調べもののことでも色々と分かったことがあった。
アキのことも色々あったし、ついさっき感情の名前を知った。
「どうして分かるの?」
何も言っていない。
きっと表情にも出ていない。
不思議に思って尋ねると「簡単よ」とお母さんは得意げに笑った。
「だって、私の大事な娘ですもの」


