「小学校に封印された悪魔について調べたいんだ」

あたしとリドが階段で敵と遭遇した翌日の1時間目は、調べ学習の時間だった。

図書館に集まって班別で分かれてから、4人で席を取り今日は何を調べようかと話していた。

その時思わず目も耳も疑ってしまうような提案をしたのはあたしでもアキでも美晴でもなく、田辺くんだった。


「すごく面白い内容だと思わない?自分たちが過ごしていた小学校に悪魔が封印されていたなんて」

みんなもきっとびっくりするよ、と目を輝かせる田辺くん。その天使のような微笑みを浮かべる彼には、どうやら悪魔なんかのオカルトにも興味があるらしい。意外な一面を知った。


「いいわね。私も賛成よ」


賛成の声を上げたのはまさかの美晴だった。珍しいと思って美晴を見ていると、「何よその目は」と逆に睨まれてしまった。あたしにはあたりが強いように思えるけど、これで美晴は通常運転だ。


「佐奈も晃も興味があるんでしょう、このことに」


美晴が言ったことは真実だった。

だけどそれを美晴が知っているとは思わず、あたしもアキも驚いてしまった。