「ひどいな。オレ、何もしてないのに」
眉を下げて困ったように微笑みながら、ぬけぬけとそんなことを言う。どの口が言うんだ、そんな嘘。
朝礼が終わるとすぐに彼の周りにはたくさんの人だかりができていた。そのほとんどは女子で、みんな頬を染めている。
彼の隣の席であるあたしのところまで囲まれてしまってここから動けない。しくじった。アキのように、この人だかりができる前に廊下に避難するべきだった。
あたしの前の席の美晴は他の女の子と同じように彼が気になるようで、囲いこそしないものの自分の席に座ってあたしの方に体を向けながら彼と彼の周りの女の子を見ていた。
「リトくんってどこから来たの?」
「スポーツとかしてる?」
「好きな食べ物ってある?」
「彼女はいるの?」
「好きな女の子のタイプは?」
矢継ぎ早に飛んでくる質問に彼は困惑しきっていた。
それもそのはずだ、いきなりこんなにも大勢の人に囲まれて質問攻めされているのだから。
少し可愛そうだなと同情しながら隣を見ていると不意に視線がぶつかった。
彼はあたしの視線に気づくと、まるで王子様のようににこやかな微笑みをした。
それは何かいいことを思い付いた、とでも言わんばかりの微笑みにも見えた。
「好きな女の子のタイプは…最上さんだよ」
突然の爆弾発言。他の質問には答えないくせに、なんでこの質問には答えたんだ。というか、なんであたしなんだ。嫌がらせか。
眉を下げて困ったように微笑みながら、ぬけぬけとそんなことを言う。どの口が言うんだ、そんな嘘。
朝礼が終わるとすぐに彼の周りにはたくさんの人だかりができていた。そのほとんどは女子で、みんな頬を染めている。
彼の隣の席であるあたしのところまで囲まれてしまってここから動けない。しくじった。アキのように、この人だかりができる前に廊下に避難するべきだった。
あたしの前の席の美晴は他の女の子と同じように彼が気になるようで、囲いこそしないものの自分の席に座ってあたしの方に体を向けながら彼と彼の周りの女の子を見ていた。
「リトくんってどこから来たの?」
「スポーツとかしてる?」
「好きな食べ物ってある?」
「彼女はいるの?」
「好きな女の子のタイプは?」
矢継ぎ早に飛んでくる質問に彼は困惑しきっていた。
それもそのはずだ、いきなりこんなにも大勢の人に囲まれて質問攻めされているのだから。
少し可愛そうだなと同情しながら隣を見ていると不意に視線がぶつかった。
彼はあたしの視線に気づくと、まるで王子様のようににこやかな微笑みをした。
それは何かいいことを思い付いた、とでも言わんばかりの微笑みにも見えた。
「好きな女の子のタイプは…最上さんだよ」
突然の爆弾発言。他の質問には答えないくせに、なんでこの質問には答えたんだ。というか、なんであたしなんだ。嫌がらせか。


