お前、俺に惚れてんだろ?

「渡!早くしろよっ!」

「待てよ、今行くって!」


あっという間に教室から出て行ってしまった。


「あ…あの…、消しゴムっ……」


あたしは借りた消しゴムを握り締めたまま、その場に呆然と突っ立っていた。



結局、消しゴムは返せずじまいだった。


覚えているのは、黒髪短髪に長身。

整った顔に、優しい声。


そして、唯一知っているのは…。


“渡!早くしろよっ!”