「…勿体ない気がします。色々な知春さんの表情、撮りたかったので。」
「それは俺が苦悩してるところをってこと?」
「違いますよ!ただ、悩んでらっしゃったからこその表情もあったので。」
「いつもと違った?」
「少しだけ、違うように見えた表情もありました。」
そう言って名桜は知春の方を見つめてふっと零すように微笑んだ。
「…それは私の勘違いかもしれません。でも、私が知らない知春さんの表情がたくさんあるんだなと改めて思ったことは本当ですよ。」
(知らない表情を、知りたいと思ってくれるのだろうか?…それと同じで、俺がもっと知りたいって思うことも、許してもらえる?)
そんなことを思い浮かべて、あまりにも自分に都合が良すぎてすぐに考えを打ち消した。
「…まだまだ表情のバリエーションを増やしていかないとね。そのためにはたくさんの経験が必要なんだなって思い知った。」
「経験、ですか?」
「うん。感情を知らないと表情は増えないでしょ?感情と言語化の勉強をね、していくつもり。」
「…なるほど。」
少しだけ神妙な顔をして考え込む名桜は珍しくて、ついクスっと笑ってしまった。笑うと名桜と目が合って、今度は少し不服そうな表情へと変化した。
「何か笑われるようなことしましたか、私?」
「ううん。なんかちょっと眉間に皺が寄ってる名桜って珍しいから笑っちゃった。名桜も初めて会った時と比べたら、表情豊かになったというか、色々話してくれるようになったよね。」
「あっ、もしかして私、馴れ馴れしかったですか?」
「ううん、全然。…色々話してくれた方が楽しいし、嬉しいよ。同業者ではないけれど、近くにいてくれて助けてくれる人。それが俺にとっての名桜だから。」
言えない気持ちが、静かに膨らんでいく。
たくさんの経験を積みたい。その中に、『両想い』だってある。本当の『両想い』を知ったら、どうなるのだろう。そんな気持ちは、日に日に膨れて、しぼむ気配はなくて、時折息苦しくなる。
「それは俺が苦悩してるところをってこと?」
「違いますよ!ただ、悩んでらっしゃったからこその表情もあったので。」
「いつもと違った?」
「少しだけ、違うように見えた表情もありました。」
そう言って名桜は知春の方を見つめてふっと零すように微笑んだ。
「…それは私の勘違いかもしれません。でも、私が知らない知春さんの表情がたくさんあるんだなと改めて思ったことは本当ですよ。」
(知らない表情を、知りたいと思ってくれるのだろうか?…それと同じで、俺がもっと知りたいって思うことも、許してもらえる?)
そんなことを思い浮かべて、あまりにも自分に都合が良すぎてすぐに考えを打ち消した。
「…まだまだ表情のバリエーションを増やしていかないとね。そのためにはたくさんの経験が必要なんだなって思い知った。」
「経験、ですか?」
「うん。感情を知らないと表情は増えないでしょ?感情と言語化の勉強をね、していくつもり。」
「…なるほど。」
少しだけ神妙な顔をして考え込む名桜は珍しくて、ついクスっと笑ってしまった。笑うと名桜と目が合って、今度は少し不服そうな表情へと変化した。
「何か笑われるようなことしましたか、私?」
「ううん。なんかちょっと眉間に皺が寄ってる名桜って珍しいから笑っちゃった。名桜も初めて会った時と比べたら、表情豊かになったというか、色々話してくれるようになったよね。」
「あっ、もしかして私、馴れ馴れしかったですか?」
「ううん、全然。…色々話してくれた方が楽しいし、嬉しいよ。同業者ではないけれど、近くにいてくれて助けてくれる人。それが俺にとっての名桜だから。」
言えない気持ちが、静かに膨らんでいく。
たくさんの経験を積みたい。その中に、『両想い』だってある。本当の『両想い』を知ったら、どうなるのだろう。そんな気持ちは、日に日に膨れて、しぼむ気配はなくて、時折息苦しくなる。



