ここ最近ずっと雨模様で、少し早いけど梅雨になるかどうかが、膨らみやすい髪質で手入れに気を遣う同僚との、もっぱらの話題だった。


晴れたらいいよね、とお互い言い合って。


彼氏持ちの私は、晴れた星空を時折見上げながら、誕生日を祝ってもらう予定だった。


『もうすぐ誕生日なんだって?』

『あ、うん』

『じゃあ彼氏さんと一緒に祝うんだ?』

『その予定だよ』

『うわあいいなー!』

『いいでしょー』

『お幸せに』


お幸せに――なんて、なれるかボケェ!


こんなはずじゃなかった。

きっと今頃二人でケーキでもつついてた。


あの人と幸せになりたかった。


来年もって、約束、したかったのに。


「っ……」


泣くな。


泣くな私。こんな大衆の隅で泣いて何になる。


泣くな泣くな泣くな、そう一心に唱えて滲む視界を留める。


気を抜いたら溢れそうなそれを必死に堪えて、思った。