今まではカッコイイ男子生徒を見て騒ぐ側だったので、少し反省してしまう。


騒ぐ側だと楽しいだけだったから、このギャップには驚きだ。


「行くだろ?」


突然純にそう言われ、あたしはキョトンとした表情を浮かべた。


「タバコだよ、タバコ」


純が小声でそう言ってくる。


「たっ……!?」


あたしは目を見開いて純を見た。


純はずとタバコを吸っていたのだろうか?


あたしを誘うと言う事は、歩も普段からタバコを吸っているということだ。


あまりにも意外で、あたしは言葉に詰まってしまった。


「なんだよ、今日は持って来てないのか?」


「あ、あぁ。そうなんだ。だから今日はやめておくよ」


あたしはそう言うと、純を追い越して歩き出した。


一本わけてやるよと言われても困るので、そのまま真っ直ぐ教室へと戻った。


早足で階段を上ってきたから、少し息切れを感じる。


だけど体力はまだまだ有り余っているのを感じた。


男子ってやっぱりすごいんだなぁ。


なんて、妙な所で感心してしまったりする。


「あれ、歩君今日は1人?」


クラスメートのリナに声をかけられて、あたしはまた言葉に困ってしまった。