気づけばスマホを放り投げて
大輝のベッドでうたた寝をしていた。
「…こ、日菜子、日菜子!」
「…ん?」
眠い目を擦りながら目を開けると、大輝のドアップ。
…ふにゃっと溢れる笑顔はどうしようもない。
嬉しくて思わず大輝に手を伸ばすと、
目を見開いた大輝は、ふっと笑いながら
私を抱き上げた。
大輝の肩に顔を埋めて気づけば私はまた眠りについていた。
次、目を覚ました時、
見えたのは大輝の寝顔。
大輝の腕枕で眠っていた、
…なんで?
ゆっくりと起き上がると、
大輝はくすぐったそうに、
「ん〜。」
と寝返りを打った。
キョロキョロ辺りを見回せば、
大輝がいたところに見えたのは、
大輝が読んでいたバイクの雑誌。
そんなに面白いのかな?
バイクの雑誌を持ち上げると、
その下から落ちてきた、
《彼女を喜ばせられる最高のデート100のスポット!》
という題名の雑誌。
ところどころ追ってあったり付箋が貼ってあったりして、
付箋のページを開くと、
私が好きそうなカフェや、
食べ放題。