野澤は亜美を睨み返すと教室を出て行って
大輝はずっと
「日菜子を傷つけた。」
としか言わない。
気づけば私は胸ぐらを掴んで
「ちゃんと話しなさいよ!」
そう怒鳴っていた。
こんな大輝初めてと思うくらい弱々しく大輝は、
「野澤は、あの人の妹だ。」
私の息を止める一言を言った。
…あの、人って…
無意識に震え始める体。
嫌だ、嫌だ。
思い出したくない。
怖い、怖い、
過呼吸になりかけた私を支えてくれた亜美、
「優香、桐谷さんのためだよ、ちゃんと聞かないとダメ。」
そういう亜美に
私は何故か落ち着いて
こくんと頷いていた。
「あの人、野澤冷夏の、
妹で
その人の情報を掴むために
俺は野澤にキスをした。
そりゃあ、何度も拒んだ。
だけど、
野澤があの人が動き始めた。
日菜子が危ないって聞いて
俺は気付けばキスをしていたんだ。」
そう言う大輝に、私は怒りで震えて、


