「蒼がお世話になっています」
彼女はあたしに頭を下げ、あたしも思わず頭を下げる。
そんな奥さんに、
「唯ちゃん、唯ちゃん!」
蒼さんは子犬のように擦り寄って、手をぎゅっとつなぐ。
奥さんは少し恥ずかしそうに頰を染めて、蒼さんはすごく嬉しそうに笑う。
蒼さんも奥さんも、お互いが大好きなんだとすぐに分かる。
「唯ちゃん、さっきね、スーパー行ったんだ!
そうしたら、いちごアイスが復活してて!!
たくさん買ってきちゃったから、柚ちゃんと柊君も食べれるかなぁ?」
「柚と柊はまだ小さいから無理だよ」
奥さんは困った顔で蒼さんを見る。
「そうなのぉ?
じゃ、俺と唯ちゃんでいっぱい食べようねぇ!」
こんな、イチャイチャラブラブの二人に、
「うぜー」
賢ちゃんが言う。
賢ちゃんの気持ちも分からないこともないけど、素直に羨ましいな。
なんとなく分かっていたけど、蒼さんは甘えん坊だ。
こんな蒼さんを優しく包み込む奥さん……理想的過ぎる。