「うわぁ……

噂には聞いていたけど、すごい家ですね」




あたしはため息まじりに言っていた。





一等地の広々とした敷地。

車のガレージに、手入れされた洋風の庭。

そして、その奥に立派な豪邸が立っていた。

そう。ここは蒼さんの家。

蒼さんが必死にお金を貯め、今もローンを払い続けているという豪邸。

そして、建築士の蒼さんは、自分で設計したとか。

天は二物を与えずとは言うものの、蒼さんには当てはまらない。

もちろん、賢ちゃんもだけど。







「最近散らかってるんだぁ」




蒼さんは少し困った顔をしながら、あたしたちを家に招き入れる。

玄関も恐ろしく広くて、タイル張りの壁が輝いていた。




「蒼、片付け出来ねぇもんな」




賢ちゃんが笑って言う。

すると、



「そうなんだよぉ」



答える蒼さん。




「俺は片付け出来ないし、双子が荒らすし」