「咲良。ありがとな、すげぇ助かった!」




賢ちゃんがホッとした顔であたしたちのほうに来る。

そんな賢ちゃんがやっぱりかっこよくて。

赤くなってそっぽを向くあたし。





だけどお馬鹿な賢ちゃんは、



「咲良、もしかして、上田に惚れてんのか?」



焦って訳の分からないことを言い出す。



何言ってんの、あたしには賢ちゃんしかいないこと、賢ちゃんが一番よく分かっているでしょ?








それなのに上田さんは、



「ホンモノの新沢咲良、超可愛いっす!」



なんて言って。

さらに賢ちゃんは焦ってしまう。




「コイツ、新沢じゃねぇからな!!

俺と結婚してんだ、俺と!!」




そう言って、たまっていた皿を洗い、次々に食洗機へと放り込む。

皿洗いすら様になっていてかっこいい。

見惚れてしまうあたしこそお馬鹿だ。