「疲れたな……」




家に帰ったら、賢ちゃんがぼーっとしていた。

口に何かをくわえ、宙を見ている。

そして、口にくわえたものを、人差し指と中指で挟む。





まさか……






「煙草吸ってるの?」



思わず聞くと、



「ちげーよ。飴だよ」




そう言って、賢ちゃんは飴が溶けてなくなった棒を、近くのゴミ箱に捨てる。




「ちょっと!そこに捨てないで!汚い!」



思わず言うと、



「どうせ掃除するのは俺だからいいだろ」



賢ちゃんはぶつぶつと文句を言う。