まるで、ドラマのように起きるあたし。

眠かったのが嘘のように、目も冴え渡っている。





「なにそれ?」




そんなこと、知らない。

賢ちゃん、また冗談言ってるの?





だけど、賢ちゃんはまんざらでもないようで。




「俺、言っただろ?」




困った顔をしている。




「いつ言ったの?」



「ベッドの中で……」



「馬鹿ぁ!!」




あたしは、枕を賢ちゃんの顔に投げつけていた。

ぼふっと音が鳴り、枕は賢ちゃんに命中して。

賢ちゃんは漫才のように床に倒れる。

そんな賢ちゃんを、真っ赤になりながら見ていた。




本当なのか、嘘なのかも分からない。

ただ、考えるだけで顔に血が上る。