見覚えのある道を、賢ちゃんと手を繋いで歩く。

あの時は、ここが通学路だった。

あの時も賢ちゃんはあたしの手を引いてくれていたなぁ。

だけど、賢ちゃんとこんな関係になるなんて、思ってもいなかっただろう。






「あ!懐かしい公園!」



あたしの言葉に、



「寄ってくか?」



賢ちゃんは静かに言った。









その公園は、あたしの記憶よりもずっと小さくて、古びていた。

あの頃はあたしが小さくて、世界が全て大きく見えたのだ。




古びたブランコに座ると、錆びた鎖がキキーッと鳴る。

昔はこのブランコで遊んでいて、よくいじめっ子に見つかって、ブランコを取られて。

泣いて抵抗していたな。

そうしたら、賢ちゃんが助けに来てくれたりして。




忘れていた思い出が、次々と溢れてくる。