「色々付き合わせてごめんな」




帰り道、賢ちゃんがあたしに言う。

ジーンズにジャケット姿で、ジャージとタオルを袋に入れて担いでいた。

なんだか部活終わりの学生みたい。

……といっても、三十路手前の賢ちゃんは、どう見ても学生には見えないんだが。


そんな賢ちゃんに、あたしは言った。







「いい友達がいるんだね」




なんだか羨ましいな。

今だにあんなに仲良くて。




「あたし、大学中退だし、高校時代の友達も疎遠だし、茜ちゃんくらいしか友達がいない」




思わず零してしまった。